魔法使いの一日
「ねぇ少年。今のも手品?」
「だから魔法だって前から言ってるだろ。これのどこが魔法な……あっ!!」
少年は、今自分が言ったことに気付き咄嗟に口を手で押さえたが、もう遅い。
私は少年に怪しく笑いかける。
「ふーん、やっぱり魔法なんだぁ」
「なっなな何言ってるんだよ。こっここの世に魔法なんてものが、あっ……あああるわけ、ないだろ!!」
少年よ、吃りすぎだ。ここまで吃りながら話す人間は始めてみたよ。
「大体、あんた今魔法だって言ったじゃない」
「えー、何の話かさっぱりだなぁ」
まったく、少年の単純さには呆れてしまう。そう同じ手で逃げられると思うなよ。
「ふーん。これを聞いてもまだそんな口が聞けるかなぁ?」
「これなーんだ」と、取り出したのは携帯電話。少年はそれを見て、何だ? と言わんばかりに首を傾げた。
「それって、確か携帯電話って奴だろ? 電話とかメールってのができる。それを取り出して一体何だっていうんだ?」
「いやー携帯って本当に便利なんだよねぇ。電話やメール以外にも」
私は携帯を操作し、少年に携帯を向ける。すると、
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