魔法使いの一日


“ねぇ少年。今のも手品?”

“だから魔法だって前から言ってるだろ。これの何処が魔法な……あっ!!”


「こーんなふうに、人の声を録音することが出来るんだもんねぇ」


携帯を左右に振りうっすらと笑いながら言うと、少年は顔をこれでもかっていうくらいに顔を蒼白にし口をパクパクと魚のように動かしている。


「これを聞いてもまだ魔法じゃないってって……あれ?」


いつの間にか手に持っていたはずの携帯がなく、何故か少年の手に私の携帯が握られていた。


「あー私の携帯ー!! 何時の間にっ返してよー!!」


取り戻そうと少年の手にある携帯に手を伸ばそうとすると、何処からともなく現れたロープで手足を縛られてしまった。


「ちょっ、何これ! ちょっと少年、解いてよー!!」

「えっと、これはどうやって消すんだ?」

「って無視かよおい!!」


そんなやり取りをしていると、手足を縛っていたロープがとれた。







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