魔法使いの一日
「さてと、前置きはこの位にして、そろそろ本当の事を話してもらおうか」
「…………」
「……おで――」
「分かった分かった! 話すからおでんを取り止めにするのだけは止めてくれ!!」
誰もおでんを取り止めにするだなんて言ってないのに……。いや、実際そう言う意味をこめて言おうとしたけど。
てか、本当の事を話さないと本当におでんを取り止めにするつもりだけど。
「んじゃ、話せや少年。あ、その前にいい加減名前を教えてくれない? さすがにずーっと少年って呼ぶのもなんだしねぇ」
そう、実は私少年の名前を知らないのだ。前に教えてくれって言ったら、すっごい複雑そうな顔をしたから、聞かないほうがいいのかな?っと思ってそれっきり聞かなかったんだけど……。
やっぱり教えてくれないのかな……?
「…………」
思った通り、少年はあの時と同じように複雑そうな表示で黙り込んでしまった。でもさ、少年。
「何で少年が名乗りたくないのかは知らないけどさ、少年は少年って名前じゃないでしょ? 少年にはちゃんとした名前があるんだからさ。てか、名前を名乗らないって礼儀知らずだと思わない?」
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