魔法使いの一日
「―――ソラ」
「またお前は変な………え?」
少年はまた変な名前で呼ばれたと思い反論しようとしたが、あまりにもちゃんとした名前だったからか物凄く間の抜けた声を出した。
「うん、中々いいかも」
唐突に思いついたにしても中々いい名前かも、と自分でも感心してしまった。
「ソ…ソラ……?」
「うん! あ、もしかして気に入らないとか…?」
すると、少年は違うと言うように首を左右に振る。
「いや、お前がまともな名前を付けるなんて思わなくて」
「一週間おでん抜きね」
「ごめんなさいごめんなさい、口がすぎました」
少年は、瞬時に土下座をして頭を床に擦り付ける。改めて思うけど、おでん効果って凄いね。
「でも、何でソラなんだ?」
少年は頭を上げ聞いてくる。床に擦りすぎたせいか、額が赤くなっていた。
「嗚呼それはね、あんたが空から降ってきたからだよ」
だからソラ。と言うと、ソラは「単純だな!!」と突っこみ、何だかブツブツと言い始めた。
何だこいつは。人が折角、せぇーっかく名前を付けてあげたと言うのに文句があるのか!!?
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