魔法使いの一日


「まだ校舎が新しいなら未だしも、この学校の校舎は古いんだからクーラーなんか期待したところで無駄よ。立て直すならクーラーが導入される可能性もあるけど、そんな予定はないしね」

「校舎壊れろー。粉々に壊れろー。そしてクーラー導入しろー」

「何げに恐ろしいこと言ったよこの子」


雪は呆れたため息を吐く。もう、夏なんか嫌いだ……。


「後一週間もしたら夏休みなんだし、それ位の期間は乗り切りなさいよ。今日の帰りアイス奢ってあげるから」

「よーしっ!! 今日も一日頑張るぞーっ!!!」


アイスと言う言葉を聞いた瞬間、机に突っ伏していた顔をバッと勢い良く上げ、雪に笑顔を振りまく。


「単純というか何というか……」


雪はまた呆れたため息を吐いたが、少し笑っているようにも見えた。


「あ、そう言えば、今日転校生が来るって知ってる?」


突然、雪が思い出したように聞いてくる。


「いや全然。ねぇ雪、転校生と転入生の違いって何だろね?」

「いきなり何この子。そんなの辞書でも使って調べなさいよ」


雪は私に、呆れ&冷たい視線を送る。そんな視線をダブルで送らなくてもよくない? さすがに悲しくなってくるよ?







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