魔法使いの一日


「何って、挨拶ですよ?」


何君当たり前のこと聞いてるんだって顔してんのさ。私にとっちゃ、いやこの国では当たり前じゃないんだよこーゆーことは!!!


その後は、男子に冷やかされたり女子の視線がミョーに痛かったりと、とんでもない一日だった。









「それにしても、今日は大変だったわねー」

「思いっきし他人事のように言わないでくれる?」


雪の買ってくれたアイスを口に運びながら、雪を疲れ切った目で見る。


今はもう放課後で、朝雪が言ったとおりアイスを奢ってもらい、それを食べながら帰路に着いている途中。


「まったく散々な一日だったよ。男子の冷やかしはすぐに終わったけど、問題は女子!」

「女の嫉妬は怖いからねー。まあ、アルベルト君も挨拶って言って他の女子にもあんたと同じ事してたし、明日にはあんたへの視線も治まってるんじゃない?」

「だといいんだけど……てか、なんで挨拶がアレ? イタリア人って皆ああなのかな?」

「イタリア人はスキンシップが激しいとかなんとかって聞いたことはあるけど、人それぞれなんじゃない?」


 雪はそう言うけど、どっちにしろ大迷惑だ。自分では当たり前のことをしただけだと思ってるんだろうけど。


ここは日本!! イタリアじゃない!! 間違ったイタリア文化(違う気がするけど)を広めるな!!!







< 47 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop