魔法使いの一日
リビングのドアを開けると、テレビを見ながら煎餅を食べているソラが目に映った。
お前は何処ぞの主婦か?というツッコミはあえてしないことにしている。
てか、してもソラは意味が分かってないので無駄なだけなんだよね。
「おー、お帰りー」
私に気づいたソラは律儀にそう言う。(目はテレビに向いてるから律儀って言ていいのか謎だけど)
「ただいま、ちゃんと留守番してた?」
「お前さ、俺は留守番もできないよーな奴に見えるわけ?」
「うん」
即答で頷くと、ソラは少なからずショックを受けたのかうなだれる。
「何そんなことでうなだれてんのよ。ふぅ……」
「ん? どーしたんだ?」
私がため息を吐いたことに疑問を持ったソラが顔を上げ聞いてくる。
「あー……学校で色々大変なことがあってねー」
「へー。お前も苦労してんだなー」
「あんたにそんな事言われるのが一番ムカつくんだけど……そう思ってんなら私が居ない間に買い物くらい行きなさいよ!」
そこまで言うとふと考え顎に手を添える。
「でもまてよ……。あんたに行かせたら、タイムサービスも安売りも半額も何もかも無視して買いまくるに決まってる……ダメじゃん」
「俺ってそんなに信用無いわけ?」
そこでまた直ぐさま頷くと、ソラはまたショックを受けたのかうなだれた。
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