魔法使いの一日
「バカじゃないの?」

「当たり前だろ、そんな言葉じゃ済まされないからな」

「いやそっちじゃなくて、アルベルト君が」

「そうそう俺が……は?」


うんうんと頷いていたアルベルト君は私の言った意味を理解すると、キョトンとした表情を浮かべた。ソラもソラでさっきとは一変、ポカンとした表情をしていた。


「ねえ、二人って結構親しそうだけど、何時からの付き合いなの?」

「は? え……まあ、家が近かったから小さい時からの付き合いだけど」

「ふーん、つまり幼なじみだね。じゃお互い相手の事はよく分かってるよね?」

「まあ…たぶん…」


アルベルト君は戸惑いながらも私の質問に答えていく。私はうんうん頷き、そして無表情でアルベルト君を見つめる。


「よし、じゃ今聞いた答えも踏まえてもう一回言おう。バッッカじゃないの」


さっきよりもバカを強調させて言うと、アルベルト君は目を丸くさせた。







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