魔法使いの一日
「そんなの…ヴァルボーネ様が、すべて、そいつが仕組んだ事だって…」

「だーかーらー、そんなこと聞いてんじゃないって事が分かんないの!? 口を開けばヴァルボーネ、ヴァルボーネって…そんなにそいつが好きなら語尾にヴァルボーネって付けて喋りやがれ!!」

「いやっ、そんな頻繁に言ってねーし意味分かんねーから。てか、亜梨珠少し落ち着けって…」


ソラそう言うけどはっきり言ってムリ。どーして分からないんだこの分からずや!!


「ソラは黙ってて! ったく何でわざわざ言わなきゃいけないかな〜っ! なんでそんな胡散臭い爺ぃの言葉は信じて、自分の歳と同じくらいの付き合いのソラの言葉は信じられないのかって聞いてるの!! 結局、あんたは言葉の重みって言うか、そんなのが全然分かんない大バカ野朗だったって訳か。それでよく親友だった、だなんて過去形だったとしても言えるよね。どんな神経してんの? 本当、今すぐ顔が脹れ上がるまで殴りたい気分なんだけど」

「……前々から思ってたけど、君って女にしては暴力的だよね」

「前言撤回、殴り飛ばす」


ス…と拳を見せると、アルベルト君は慌てだした。








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