魔法使いの一日
「それからしばらくして国に伝染病が流行り、禁薬に手を出す状況にまでなってしまった。そして禁薬に使われる者の候補者に、シュリルの名があがったんだ。なんで罪人でないシュリルなのか。あいつ…ヴァルボーネの考えはすぐ分かった。先が短いってのもあったが、何よりシュリルは他の魔法使いと比べて魔力が強かった。魔力が強いものを使ったほうが、より強い薬が作れる。だからと言って、罪人意外を禁薬に使うのは絶対に許されない。俺はヴァルボーネに言ったさ、「禁忌を犯してはいけない、他の候補者が居るはずだ」と。そしたらあいつ、」




『何を甘え事を言っている。ことは一刻を争うのだぞ。貴様は一人の命と民の命を天秤にかけるつもりか!』



とてつもなく、残酷な笑みを浮かべながら―――……






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