魔法使いの一日
「アル、謝ってすむ問題じゃない事くらい分かってる。だから…」


と、ソラがアルベルト君の手に握らせたのは、アルベルト君が持っていたナイフだった。


「ソラ!?」

「止めるな亜梨珠。いいんだ、俺はこうされても仕方ない事をしたんだから…さーアル、一発ぐさっとやってくれ!」


なにこいつとんでもない事平気で言ってんだ!!


止めるな、と言われたが、私がそれに素直に応じるはずもなく、すぐさまソラをぶん殴ってやろうと体を動かそうとした。が、


「また体が動かない―――!!!?」


今度はアルベルト君ではなく、ソラの仕業だと一発で分かった。


この大バカ!! 早くこの金縛り(?)解かないと一ヶ月おでん抜きにするぞ―――!!!
と叫ぶ前に、ナイフを持っているアルベルト君の手に力がこもり、






< 73 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop