奏―かなで―

「揺らめく道標
キラリ、光った宝石(いし)も
今何処へ行ったのだろう
探す気にもなれない…」



時間が、止まった。

したたり落ちる汗さえも

蝉のけたたましい鳴き声も

疎ましい雑踏も

全て、聞こえなくなった。

その、音以外。

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