甘いペットは男と化す
恥ずかしいけど、でも嬉しくて……
こんな気持ちになるのなら、もっと早く素直になっていればよかったとさえ思えた。
「ケイ、大好きだよ」
「………アカリ…」
両手で頬を押さえて、素直な気持ちを伝える。
ケイは一瞬だけ目を丸くさせながら
嬉しそうに微笑んだ。
だけど、
期待してた「俺も好き」を聞けなかったのは、少し残念だった。
それでもそれを口に出さなかったのは
この先ずっと、聞き飽きるくらい彼の口から「好き」という言葉を聞けると思っていたから……。
「…………ケイ……?」
次の日の朝、
隣に感じるはずの温もりがない現実が
嘘だと思った。