甘いペットは男と化す
 
紅茶を一口飲んで、片手にノートをパラパラとめくった。

最初の日付は2年くらい前。
これが全部って言ってたから、開店して2年くらいしか経ってないんだ……。


もしケイがこの店に来て、何かを思い出しかけたというのなら、
きっとこのノートに何かヒントが隠されているはず。


なんとなく、何が書いているかなんて予想がついてて
見たくないという自分がいるのも確かだった。


それでも知りたいのは、
今ケイが何をしているかを知りたいから。


ドクンドクンと、嫌な心臓の音を体に感じながら、一枚一枚ノートをめくった。

そして……




「ぁ……」




一つのコメント欄で目が留まった。

他のカップルコメントと変わらないような内容。
だけどそこに記載されている名前に、確信を持ってしまう。




【景&沙樹】




きっとこれが……

ケイだ。

 
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