甘いペットは男と化す
 





「何度も言うけど……

 付き合うわけじゃないから」


「分かってるよ。

 ただの男と女の関係なんでしょ?」



衣類を一切身に纏わず、シングルベッドで抱き合う二つの体。



「でも何もかもがどうでもよくなるくらい、感じさせてやる」

「何、それっ……っ」

「こういうこと」

「ぁあっ……」



彼と一つになる行為は
あの時よりもずっと女としての悦びを与えるもので


そこに愛というものがないと分かっていながらも
初めて、ケイに抱かれたあの腕よりも、今のほうがずっと優しく感じてしまった。



「アカリ。

 もう俺から逃げられないよ」



ペットとご主人様の関係は

いつからか立場が逆転した。
 
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