甘いペットは男と化す
 
「あー疲れたぁ……」


部屋に入ってしまえば、完全にオフモード。

コートも脱がずに、どさっとソファーへと身を投げ出した。



あたしの仕事は受付嬢。
毎日笑顔を作っては、どんなお客様にも対応。

座ってばかりで楽そうだ、なんて言われるけど、
一日座って笑顔だけを作っている仕事がいかに辛いか……。

それは経験すれば分かる。



明日は空白になっちゃったし、
とりあえず今日は夜更かししても大丈夫だから半身浴でもしようかなー。


明日は土曜日。
本来なら、彼氏である淳史とデートのはずだったけど、それも取りやめ。

お風呂に入りながら、予定でも組もうと考えた。








「ふぅ……」


久々の湯船は、やっぱり体に沁みて、勝手に体から声が湧き上がった。

どうしても一人暮らしとなると、平日はお湯をためて入るのがめんどくさくて、シャワーだけで済ませてしまう。

でも湯船につかるのとつからないのとでは、疲れのとれ具合がだいぶ変わるのだ。
 

いろいろ考えた結果、明日は一人でブラブラと買い物でもしようと決めた。
 
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