甘いペットは男と化す
3章 見えない影
ピピピピ……
「ん……」
いつもどおりの朝。
まだ覚醒しきっていない頭の中に、淡白な電子音が入り込んでくる。
目を開けないまま、腕だけを布団から出して、いつも同じ場所に置いてある目覚まし時計に向かって伸ばした。
ガシッ……
とまった……。
どうして、目覚ましの音って、こんなにも不快なんだろうか。
だから起きれるんだろうけど……。
二度寝してしまいそうな頭を、なんとかフル回転させようとして寝返りを打った。
起きなくちゃ………ん…?
振り返った先に違和感。
目を閉じたままでもなんとなく感じた。
ゆっくりと、まだ開きたくないと嘆いている瞼を開けていくと……
「………きゃあっ!!」
目の前には、綺麗な顔をした男の子が眠っていた。