甘いペットは男と化す
 
ちょ……な、なんでっ……


慌てて、ガバッと後ろに後ずさると、そこはもう壁。

一緒に布団で寝ているのは、まぎれもなくケイで……。


「んー……朝?」


呑気に目をこすりながら、身をよじるケイ。


「ちょ、ちょっと!!」

「いた……」


あたしは、たまらずそんなケイの頭を引っぱたいた。


「なんで、アンタが布団に入ってるの?!
 ソファーで寝なさいって言ったじゃん!」


そうだ。
結局、言いくるめられて、一緒に住むことは許したけど、さすがに一緒のベッドで眠ることまで許した覚えはない。

毛布だけ渡して、ソファーで寝ろと言ったはずなのに……。


「だってソファー寒いんだもん。狭いし」

「だ、だからってっ……」

「大丈夫だよ。何もしてないから」

「…っ」


当たり前だ!!

喉まで出かかったけど、その極上のスマイルについ口を閉ざしてしまった。
 
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