甘いペットは男と化す
「と、とにかく!
ベッドの中に入ってくるのは禁止!!
それが守れないんだったら出てって!!」
「えー……」
「あのねぇ……」
「だって、アカリを一人で寝かせたら、もしかしたら泣いちゃうかもしれないでしょ」
まぁるい瞳は、本当に優しさが含まれていて、まるであたしが悪いことをしてしまった気分になってしまう。
「だ、大丈夫だって!一人で寝てたのはいつものこと。
それに泣きたい気分になんかならないから平気」
「ならいいけど」
一歩も引かないと思ったケイは、唇を尖らせてまた布団の中に潜り込んでしまった。
「もう……。
っていうか、あたし会社に行くからね」
「えー……寂しい」
「働かないと、食べていけないでしょ」
「うん……」
「イイコにしてて」
「うん。アカリ、好き」
「……」
ダメだ……。
あたしはこの子に逆らえないのかもしれない。