甘いペットは男と化す
 





「今日は一日何してたの?」


ようやく気持ちも落ち着いて、二人寄り添いながらソファーに座った。
温かい紅茶も淹れて。


「んと……英会話教室に行ってきた」
「え?アカリが?」
「そうだけど。何か文句ある?」
「英語なんて出来るんだ……と思って……」
「出来ないから、通おうと思ってんだけど。でも好きだよ、英語は」


あたしの答えがそんなに意外だったのか、ケイは目を丸くさせたまま。

そんなにバカそうに見えるの?あたしって……。


「もし仕事を失ってもね……。何かと資格とかスキルとか必要かと思って……。
 その時思いついたのが、自分には英語だな…って。
 英語が話せると、今の時代何かと便利だし、会話レベルができるようにはなりたいって思ったの」

「……そう」


あたしの言葉を聞いて、ほんの少しだけケイが元気がないように見えた気がした。

だけど瞬きをして目を開けると、そこにはもういつものケイがいて……


「Do you love me?」

「え……」


いきなり英語で聴いてきた。

しかも恥ずかしすぎるでしょ、その質問……。
 
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