甘いペットは男と化す
 
にこにこと微笑みながらあたしの答えを待つケイ。

後ろには、わんこのしっぽが見えそうだ。


「応えて、アカリ」

「……」


なのに、見つめる瞳は完全に男の瞳をしていて
せかす言葉にドキッとしてしまう。

決して距離は近くなっていないのに、
じりじりと詰められている気分になって……


「………Yes.……I love you.」


恥ずかしさで沸騰しそうな気持ちを堪えて、一言漏らした。


日本語で「大好き」と言うより、英語で「I love you.」なんて言うほうが、よっぽどキザで恥ずかしい。
それが分かっているのか、ケイは嬉しそうににっこりと微笑むと……



「I want you.」



一言漏らして、あたしの唇を奪った。



ああ、もう……
キザったらしいセリフなのに、様になるケイが悔しい……。
 
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