甘いペットは男と化す
「Hellow!Ms.Kitajima!」
「あ……Hellow,Ms.Aiuchi」
予約をとっていた英会話教室の時間。
この前と同じ教室で待っていると、相内先生が入ってきた。
基本、授業中は英語のみで会話する。
といっても、あたしはまだ、無料体験だし、話せる英語も少しなので日本語交じり。
それでもあたしが、詰まらない限りは相内先生は英語で話してきた。
もしもこれが、本場のイギリス人の先生だったら、少し物怖じして、言葉が出てこないかもしれない。
だけど相手が日本人だということもあり、カタコトながらも一つ一つ言葉を見つけて文法を作って話せた。
「OK!じゃあ、今日はここまでにしましょう」
「はぁ……」
ようやく終わりになって、思わずため息が出た。
「すごいじゃない!この間より、全然文法が出てたわよ」
「あ、そうですか?ちょっと英文の小説を読み始めてて……」
「それはナイスな案ね。物語だと、想像力から文法を理解できるし」
「はい!」
小説を読んでいたことを褒めてもらえ、ちょっとだけ嬉しくなった。