甘いペットは男と化す
 
何か考えがある……。

なんだかそれを聞くと、逆に怖い。
スパッと切ってくれたほうが、こっちもスッキリするのに……。


「お偉いさんの考えてることはよく分かんないや……」


ため息交じりでそうつぶやくと、あたしもいい加減帰らないとまずいので、パソコンを閉じた。









「疲れた……」


家に帰って、思わずそのままベッドへとダイブした。

ただでさえ、先週は仕事をせずに家でほとんどダラダラ生活を送っていたのに
いきなりの終電帰り。

脳みそも体も悲鳴を上げてるのが分かった。


ダメだ……とりあえず、化粧は落としてこないと……。


だるい体をなんとか持ち上げ、メイク落としコットンを手に取った。

シャワーは明日の朝浴びればいい。
今はただ、ふかふかのベッドで眠ってしまいたい。

すでに0時を回った深夜、メイクを落とし、部屋着に着替えて布団の中に潜り込んだ。



今日もケイに会えなかったな……。



結局、あの英会話の日の夜以来、ケイとは会っていない。

週末も休日だというのに、連絡もほとんど取れない状態で……


「逢いたいな……」


あたしの嘆きは、枕の中へと消えた。
 
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