甘いペットは男と化す
「……ん……」
まだ、目覚ましが鳴る前の薄暗い中、
ふと寝返りを打った時の違和感で意識を取り戻した。
やけに温かい布団の中。
ゆっくりと重たい瞼を開けると……
「………え…?」
すやすやと眠る綺麗な横顔。
カーテンから差し込むわずかな朝日が、彼の顔を照らす。
「ケイ……?」
そこには、いるはずのないケイが寝ていた。
え、いつの間に……?
確かに昨日は、家には寄っていないはず……。
「………朝…?」
「あ……」
訳が分からないまま、じっと見つめていると
視線を感じてなのか、ケイもゆっくりと瞼を開けた。
あの時とは違う、寝起きのいいハッキリとした声。
そんなケイを、目をパチクリとさせたまま見つめていた。