甘いペットは男と化す
 
「おはよう、アカリ」
「お、はよう………。って、なんで?」
「夜、勝手に侵入した」
「え……」


当たり前のように、言ってのけるケイの言葉に唖然。

まあ、あたしもあたしだ。
オートロック式のマンションだからといって、鍵は閉めるもののチェーンは閉めていない。
だから合鍵を持っているケイは、簡単にあたしの部屋に入ってこれてしまう。


「そろそろ会いたくてたまらないかと思って」
「……」


相変わらず、上から目線だ。

お互いに寝起きのはずなのに、その目はぱっちりと開いていて
ずっと会えなかった時間の分、目に焼き付けている。


「逢いたかったのはケイのほうでしょ?」
「そうだね」


わざと言い返してるのに、ケイは笑って肯定してしまう。

あたしよりずっと子供のはずなのに
あたしよりもずっと大人の対応。


「だからアカリを充電しに来たの」

「……」


そう言って、ケイはあたしの唇にキスを落とした。
 
 
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