甘いペットは男と化す
 
相内先生と話していて
なんだか今まで見えていなかったことまで見えてきた気がした。


自分を変えてまでケイを好きでいるなんて、勝手に口から出てきた言葉。

だけど確かに、本心から出た言葉。


今の自分にできること。
今の自分がするべきこと。

それがなんなのか見えてきて……




「いいわね……。

 私にも、その強さが欲しかった」


「え……?」




あたしの答えを聞いて、つぶやくように相内先生が言った。


「せん……」

「じゃあ、これから負けないよう頑張って。
 私も北島さんに協力するから」

「………ありがとうございます」


もう一度聞き返したくなった言葉。
だけど聞き返してはいけない気がした言葉。

あたしはそれを、胸にしまいいれた。
 
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