甘いペットは男と化す
 
最愛の人の親に認めてもらえない辛さ……。

自分の身に降りかかってきた最悪な環境。

どんなに相手を愛していても
投げ出したくなってしまうことだってある。

お金はきっと、ただの言い訳の材料でしかなくて……


「いいよ。それは……もう俺には関係ない」


ケイは冷たく言い放って、くるりと向きを変えた。


「アカリがいればいい」

「ケ……」


そう言って、ケイはあたしの唇をふさいだ。


冷たく冷えたあたしの唇に
熱いケイの唇が重なる。

重ねるだけのキスは、吐息とともに深いものへと変わっていき……



「とりあえず今は、遅く帰ってきた悪いコのお仕置きをしなくちゃ」

「ゃっ……」



あたしの言い分は虚しく、ケイの愛撫へと溺れていった。
 
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