甘いペットは男と化す
 
無理やりもっていかれたこの行為は
あたし自身は嫌とは感じていないけど、

なぜだかケイが、話をそらすためにわざと強引にされている気がした。

自分の心の中にいる、相内先生の存在が大きくならないように……。


「アカリ……」


何度もあたしの名前を呼び、そこにいるのを確認するように頬を撫でる。


「大丈夫。ここにいるよ」

「……」


それをなだめるように、あたしもケイの頬に手を伸ばし、にこりと微笑んだ。


「ずっとこうしてたい。アカリと繋がってたい」

「そうだね……」


休憩するように、繋がったままケイはあたしの上になだれこんできて
ぎゅっと抱き着いて耳元で囁く。

なんだか大きな子どもが、甘えてきたような気がして、愛しくてたまらなくなった。


不安になっているのは、もしかしたらあたしのほうかもしれない。
本当は、ケイは相内先生を忘れていないんじゃないかと……。

だってあたしの推測が正しければ、この部屋は……


「……でも、動きたくなるね」
「え?あっ……ゃっ……」


急に動き出した下半身。

途端に、ふけっていたあたしの思考回路が停止した。
 
< 278 / 347 >

この作品をシェア

pagetop