甘いペットは男と化す
「急に動かないで、よっ……」
「アカリが、俺以外のことを考えた罰」
「かんがえてなっ……」
子どもで……
だけど男で……
ケイはいつだって、あたしの心も体も支配する。
あんなに従順だったペットは、もうどこにもいない。
「もっと俺でいっぱいになればいい。
俺以外に懐けない猫になって」
「なに、それっ……」
「俺はアカリの犬でいいから」
「変なの」
お互いにご主人様で
お互いにペット。
犬と猫の属性を持ち
お互いだけを信頼し合う。
「いっそのこと、動物みたいにこれだけを求められればいいのにね」
「ばかっ……」
くすりと微笑んだケイの顔は、とてもじゃないけど犬ではなかった。
だけど確かに、それもいいかもしれない。