甘いペットは男と化す
 





「はぁ……疲れた……」


家に帰って、思わずベッドになだれ込む。

会社が終わってからの英会話教室。
言われたとおり、相内先生の授業は無料体験のときとは違ってかなりのスパルタ。

普段使わない脳みその隅々まで動かして、ようやくレッスンを乗り越えた気分だった。


「……ってダメだ、まだ休んじゃ……。
 目を通さないと……」


すでに半分閉じかけていた瞼をもう一度開けて、パソコンの前に座った。

すでにブックマークされている、求人サイト。


今の会社は今月までだから、早いとこ次の仕事見つけないと……。


そう思って、毎日のように求人サイトを見ていた。
だけどイマイチ、自分のやりたいことも見つからず、だらだらと見てしまうのは受付募集の会社。

資格もスキルも必要としない会社はいっぱいあるけど、それだと何の意味もない気がして仕方ないのだ。

そんなことを思いながら、スクロールしていき、たまに全く関係ない職種を見たり。

今日も収穫なしかな……。

そう思ったときだった。



「あ……」



目に留まった一つの会社。


それは、ケイの会社だった。
 
< 312 / 347 >

この作品をシェア

pagetop