甘いペットは男と化す
「はぁ……疲れた……」
家に帰って、思わずベッドになだれ込む。
会社が終わってからの英会話教室。
言われたとおり、相内先生の授業は無料体験のときとは違ってかなりのスパルタ。
普段使わない脳みその隅々まで動かして、ようやくレッスンを乗り越えた気分だった。
「……ってダメだ、まだ休んじゃ……。
目を通さないと……」
すでに半分閉じかけていた瞼をもう一度開けて、パソコンの前に座った。
すでにブックマークされている、求人サイト。
今の会社は今月までだから、早いとこ次の仕事見つけないと……。
そう思って、毎日のように求人サイトを見ていた。
だけどイマイチ、自分のやりたいことも見つからず、だらだらと見てしまうのは受付募集の会社。
資格もスキルも必要としない会社はいっぱいあるけど、それだと何の意味もない気がして仕方ないのだ。
そんなことを思いながら、スクロールしていき、たまに全く関係ない職種を見たり。
今日も収穫なしかな……。
そう思ったときだった。
「あ……」
目に留まった一つの会社。
それは、ケイの会社だった。