甘いペットは男と化す
 





「OK!!すごい上達したわね!!」


時計が昼過ぎの2時を示す。

授業の終わりを告げて、相内先生の言葉が日本語に戻った。


「よかった……。最近、心の中の独り言も英語で考えたりするんですよ」
「それは英語が自分の日常化している証拠ね。意気込みがあると違うわ」
「目標がありますから……」


あたしの答えに、相内先生は笑った。


「北島さん、このあと予定は?」
「とくには……。帰って勉強をするくらいです」
「お昼一緒にどう?私も次のレッスンは4時からだから」
「ぜひ」


予想外の相内先生からの誘いに、内心驚きつつも快く承諾した。


レッスンを始めて2ヶ月。
仕事を辞めてからは、アルバイトをして生活を繋げていた。
今は資格をとるための勉強期間なので、面接等は何もうけていない。




「お待たせ」
「いえ。行きましょう」


あたしと相内先生は、教室から離れていない洋食屋さんへと入った。
 
< 316 / 347 >

この作品をシェア

pagetop