甘いペットは男と化す
 




「アカリ抱くの、これで何回目かな」
「し、らないっ……」
「後半は、全然触れられもしなかったから、かなり不足してるけど」
「……」


上から見下ろしてくるケイは、悔しいけどカッコよくて……


「あたしも……だいぶ不足してるよ」


恥ずかしいけど、素直になりたい。


「そういう可愛いこと言ってると、いじめたくなる」
「ちょっ……」


ぺろりと子犬が舐めるように、ケイの舌があたしの体をなめまわす。

くすぐったいのに、妙に気持ちよくて
ぞくぞくと体の芯から熱くなっていく。


「も、うっ………本当に犬みたいなんだからっ……」
「そうでしょ?アカリだけのペット」


なのに、下から見上げてくるその瞳は、男を感じさせる強気な瞳で……


「今日はいっぱい愛してあげる」

「や、あっ……」


甘いペットは、男の顔をしてご主人にご奉仕をした。
 


きっとこの子は、
世界で一番の、ご主人様をいじめるペットだ。
 
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