甘いペットは男と化す
「なんか……すごい久々な気がする……。
淳史に触れられるの」
「そうだな。ここ最近、ずっと仕事でデートの予定もキャンセルしちゃってたし」
「ほんとだよ……。
仕事だから仕方ないって分かってたけど……やっぱり寂しかったよ」
「悪い悪い」
眉をハの字にさせて、苦笑いを浮かべながら謝る淳史。
ほんのり染めたダークブラウンの髪が、綺麗に整っている。
「朱里。これからもずっと一緒にいような」
「ふふ……。なんかプロポーズみたいだよ」
「そのつもり」
「え……?」
冗談で返したはずなのに、顔を上げた先には、照れくさそうに笑みを向ける淳史がいて……。
「ま、続きはまた今度。
朱里が元気になってからで」
髪を優しく撫でて、あたしを眠るよう諭した。
ずっと夢に描いてた、淳史からのプロポーズ。
それをされるのは、もしかしたら遠くない未来なのかも……。
夢うつつの中、思わずにやけてしまいそうな顔を浮かべ、意識がそのまま途絶えた。