甘いペットは男と化す
 
「あ、先輩!体調のほうは、大丈夫なんですか?」

「菅野ちゃん、おはよう。
 うん、おかげさまで大丈夫だよ」


朝、いつもより早い時間に出社していると、あとから出社した菅野ちゃんが心配そうに尋ねてきた。


大丈夫、と答えたものの……実はあまり良くなかったり…。
今は薬が効いているからいいものの、さすがに一晩では治らなかった。
ご飯も食べてないし。

だけど、無駄に休むわけにも行かず、マスクを着用して、いつもどおりにふるまった。


「でもまだ本調子じゃなさそうですね。
 今日も無理しない程度に頑張ってください。フォローいれますから」

「うん、ありがとう」


いつもどおりにふるまっていると思っていたのは自分だけらしい。
すぐに菅野ちゃんに見破られて、お言葉に甘えながら、なるべく外部とのやりとりは菅野ちゃんにお願いした。
 
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