甘いペットは男と化す
「ケイ……海ならもう少し暖かく……」
「今日、池がある公園にまで行ってきたんだ」
「え?ああ、西池公園?」
ここから、歩いて15分くらいのところに、割と大きめの公園がある。
そこには、確かに鯉などが泳いでいる池があった。
「水に……何か手がかりがある気がするんだ。
今日一日ずっとそこにいて……だけど、池じゃないと思う」
「……そっか…」
それを言われたら、海になんか行けない、なんて言うことはできなくて……。
「明日、一緒に行ってみよっか。
ここからだと、電車で2時間以上かかっちゃうけど」
「うん!」
あたしの返事を聞いて、ケイが嬉しそうに頷いたのが分かった。
水に関係ある、か……。
ケイの思い出の場所か何かなんだろうか……。
この時期に海に行くなんて、正直自殺行為だけど
ケイの記憶が戻る可能性があるなら仕方ない。
明日はゆっくり休んでいようと思ったけど、ケイと一緒に海に行くことにした。