甘いペットは男と化す
2章 慰めペット
サラ……
「ん……」
ふと、誰かが髪を撫でる気配がした。
ぼーっとする中、ゆっくりと顔を上げると……
「おはよう」
「……おはよう」
天使とも見間違えるほどの、大きな瞳の男の子。
当たり前すぎる挨拶に、普通に返してしまったけど……
「……え?あっ……目ぇ覚ましたの?」
ふと我に返って、ガバッと起き上がった。
あたしが寝てしまっていたのは、ソファーの上。
彼をベッドで寝かしてしまったので、仕方なしにブランケットをかけてソファーで寝ていたのだ。
「うん。ごめん。
家に入れてくれたんだね」
「さすがにね。あんな中、外で寝たら凍死しちゃうし」
「……優しいね」
微笑を浮かべたその顔は、本当に絵に描いたような微笑みで、こっちの心までがぽっと温かくなるような気がした。