甘いペットは男と化す
7章 元カレ
「今日の夕ご飯、どうしよっか」
最寄駅に着いた頃には、もうすでに夕方になっていて、今から買い物をして帰ったらいい時間になる頃だった。
「何か食べてみたいものとかある?」
「……ハンバーグ」
「王道なところきたね」
「ダメ?」
「いいよ」
ケイの口から、ハンバーグと出ると、なんだか本当に子どもみたいだなと思ってしまった。
隣には、嬉しそうに微笑んでいるケイがいる。
「何?どうかしたの?」
思わず、じっと見つめていると、不思議そうに首をかしげてくるケイ。
「ううん。ただ、可愛いなって思って」
「……」
素直に思ったことを口に出すと、なぜだかケイの頬がむくれた。
あれ、あたし何か変なこと言った?
「男に可愛いはなくない?」
「ごめん……。でもほら、年下だし、ケイが可愛い顔してるのは事実だし……」
「……」
「ちょっ……!!」
急に肩を引き寄せられて、道の往来で抱きしめられた。
突然のことすぎて、頭の中がパニック。