甘いペットは男と化す
「これからは一生朱里の傍にいる。浮気も絶対にしない。
だから……俺と結婚してくれ」
「……」
別れている今、ありえないプロポーズ。
二股をされていなければ、泣きたくなるくらい嬉しかった。
違う。
もし二股をされていたとしても、心から愛した淳史に、もう一度こんなにも自分を求めてもらったら嬉しいはずだ。
だけど今、あたしの心が、1mmたりとも揺れ動かないのは……
「ごめん。
あたしはもう、あなたより大切な人がいるから」
きっとケイがいるからだ。