婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

「松井くん 申し訳ないとは思うけど私こういうところは…。」

私は、ガラス張りの部屋をキョロキョロと見回しながら、松井くんに言った。
気がつけば、私はラブホテルの部屋に連れ込まれていたのだ。

私の言葉などお構いなしに、松井くんは、さっさつと服を脱いでシャワーを浴びに行ってしまった。

まあ しかたないか…。
人の吐いものを浴びたんだから、一刻も早く流したいよね…。
私は、その間に松井くんのズボンを洗うことにした。

しばらくして、松井くんがバスローブ姿で浴室から出てきた。

「なつ お前もシャワー浴びたら…?」

「いや もう帰ろうと思って…。」

「でも お前も気持ち悪いだろ? シャワーくらい浴びて帰れよ…。」

松井くんに浴室に追いやられ、私はしたかなく服を脱いだ。
いくら 相手が松井くんとはいえ、こんな場所でシャワーを浴びるなんて…。
急いでシャワーを済ませて、バスタオルを巻いた状態で浴室のドアを開けた。

「えっ 松井くん…。」

ドアの前には、松井くんが立っていた。
そして次の瞬間、私は強い力で松井くんに抱きしめられた。

「なつ 旦那のところになんか帰るなよ。」 

松井くんがかすれた声で呟いた。

「松井くん もう そういう演技はいいから。」

うろたえながらも、私は冗談ぽく返した。

「演技なんかじゃねーよ。俺 お前のこと本気だよ…。もう 自分じゃどうしようもできないくらい…なつのことが好きだ。」




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