婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

私のせいだ…。
昨日だって、深夜まで外で待たせたあげく、浮気したなんて言ってしまったのだから…。
圭司にもしものことがあったらどうしよう…。
不安で手の震えが止まらない。

病院の前でタクシーを降り、私は病室へと走った。

あった ここだ…!
私は、息を切らしながらドアを開けた。

「圭司…!」

名前を呼びながら中へ入ると、薄暗い部屋の中、点滴につながれたまま眠る圭司と寄り添うようにベッド脇にすわる芹香さんがいた。

「あっ なつさん…! 」

芹香さんが私に気づいて顔を上げた。

「あの 圭司の様態は…?」

「うん 過労と栄養失調とストレスだって…。熱も高くて…今 やっと落ち着いたところ。」

「そう ですか…。」

命に別状はなくてほっとしたけれど、そんなに酷い状態だったことに気づけなかった自分
が情けなくなる…。

ふと 芹香さんの手元を見ると、圭司の手がしっかりと芹香さんを握りしめていた…。

その光景に私は思わず息をのんだ。

「ああ これ…。圭ちゃんがずっとうわごとのように私の名前を呼んで、手を握ってくるもんだから外すに外せなくて…。」

「そうですか…。」

私はショックを隠せなかった。
圭司がうわごとで呼んだのが私ではなく芹香さんだったという事実が、なによりも圭司の答えなのだから…。
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