婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「でもさ 結局 俺との誤解も解けないまま お前たち、別れちゃっただろ?…。俺のせいだよな。取り返しのつかない事したって思ってる…。ごめんな なつ…。」
松井くんは、再び 私に頭を下げた。
「松井くん もういいの。それに 別れたのは松井くんのせいじゃないから…。言ったでしょ
圭司が倒れた時 うわごとで呼んだのは芹香さんの名前だったって…。これが、本当の答えだから…。」
「なつ…。」
「私なら大丈夫…。心配しないで…。」
そう言って微笑んだ瞬間、私は松井くんの胸に抱きしめられた。
「なつ…。なんかあったらすぐに言えよ。どこにいても ちゃんと駆けつけてやるからな。」
「うん…。」
私は松井くんの胸の中で頷いた。
それから、数日後 松井くんは大阪へと立っていった…。
◇◇◇◇
「あいつ 上手くやってんのかな?」
田辺くんが、ぽつりと呟いた。
今日は仕事帰りに、同期3人でイタリアンのお店に来ていた。
「やってんじゃない? 松井って、ああ見えて意外とまわりに可愛いがられるタイプだし。
ねぇ なつ…?」
「そうだね。確かに…。」
私はパスタを取り分けながら、葵に返事した。
「でも なつが離婚した時、松井となつがく
っつくのかなって、ちょっと思ってたんだけね…。」
「えっ…?」
私は思わず手を止めて、葵の顔を見た。