婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

「いらっしゃいませ アクアへようこそ。拓哉をご指名ですね…。こちらへどうぞ…。」

出迎えてくれたホストに連れられ、奥の席へと通される。
新人のホストなのか私よりも年下に見えた。

「それでは、少しお待ち下さい。」

そう言われて、私か店内をキョロキョロしていると、突然 隣に誰かが腰掛けた。

「久しぶり…。俺のこと覚えてる?」

馴れ馴れしい声の主はレンさんだった。

「覚えてるわよ キスされそうになったんだから…。」

私の言葉に、レンさんは頭をかきながら照れくさそうに笑った。

「あの時は悪かったよ…。響さんにも殴られたしな…。でも あれから 俺 真面目にやってるんだ…。なかなか 拓哉にはかなわないけどいつか また No.1になってやろうと思って」

「うん 今のレンさんなら すぐになれると思うよ…。」

私は、笑顔で答えた。

「ひどいな~ なっちゃん! いつから レンの味方になったの~?」

後ろから、拓哉さんの声が聞こえた。

「なっちゃん 久しぶり。」

そう言って、拓哉さんはにこりと微笑んだ。

「じゃ 俺はもう行くよ。響さんによろしくな…。」

そう言って、レンさんは他のテーブルへと行ってしまった。

「あっ 拓哉さん お誕生日おめでとう。はい
これ…。」

そう言って私は、赤い薔薇の花束を拓哉さんに差し出した。 
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