婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「ありがとう。なっちゃんの花束が一番嬉しいよ。あれ 今日は響さん一緒じゃないの…?」
「えっと 実はね…」
私は、拓哉さんに今までのことを全て打ち明けた。
「何やってるんだよ~ なっちゃん!」
拓哉さんは、私の話を聞いて大きなため息をついた。
「うん でも 圭司の為だと思って…。」
「あのさ なっちゃん それ 本気で言ってるの…? なっちゃんが、その人の身代わりだったとしたら、俺がすぐ見破ってるよ…。俺は本気でなっちゃんのこと好きだったんだから。俺は響さんには適わないと思ったからこそ身を引いたんだからね…。」
「でも 圭司 本当は芹香さんと結婚したかったみたいだし、病院でも芹香さんの名前を呼んで手も握ってた…。 きっと 今までは本当の気持ち隠して、我慢してたんだと思う。」
私の言葉に、拓哉さんは真剣な顔で私を見つめた。
「俺はそうは思わないよ。だって 響さんのなっちゃんへの愛情は本物だったから…。忘れたの…? 響さん なっちゃんのこと庇って撃たれたよね…? 響さん 言ってたんだ。俺はなつの為だったら死ねるって。命なんて惜しくないって…。それこそ 究極の愛だよね? 響さんがどれぼどなっちゃんのこと大切にしてたか、なっちゃんが一番分かってるんじゃないの…? どうして 響さんのことちゃんと信じてあげないの…?」
私の目から、涙がこぼれ落ちた。
圭司がどれぼど私を大事にしてくれていたか…
どれほど命がけで愛してくれていたか…
分かっていたはずなのに…。
どうして 圭司の愛が信じられなくなったのだろう…。私は一体 圭司の何を見てきたのだろう…。