婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「なっちゃん 今からでも遅くないよ…。響さんとちゃんと向き合って確かめてきなよ。うわごとの件だって、なっちゃんが直接聞いた訳じゃないよね…? もしかしたら なっちゃんの名前呼んでたかもしれないよ。ちゃんと自分の目で見たものを信じなきゃ…。」
私は拓哉さんの言葉に、泣きながら頷いた。
「拓哉さん ありがとう… 気づかせてくれて…。 もう 遅いかもしれないけど、ちゃんと圭司に謝まって、本当の気持ち 確かめてくるね…。」
私は拓哉さんに見送られ、圭司のマンションへと向かった。
鍵は圭司に返してしまったので、オートロックのインターホンを押した…。
私はドキドキしながら圭司が出るのを待った。
圭司とは、病院で別れたきり一度も会っていない…。芹香さんが一週間の入院と言っていたから、さすがにもう退院して会社にも復帰しているはずだ。
なかなか出てこないので、もう一度押してみたけれど何の反応もなかった。
まだ 帰ってないか…。
時計をみると、11時をまわったところだった。
明日はちょうど仕事も休みだったので、私はマンションのエントランスで待つことにした。
季節は夏だし なんとか待てるだろう…。
私は、ぼんやりと星空を見上げた。
圭司もこうやって私のことを待ってたよね。
あんなに体調も悪かったのに、いったいどんな気持ちでこんな所にいたのだろう…。
今となっては後悔ばかりが先に立つ…。
私はため息をつきながら、圭司の帰りをひたすら待ち続けた。