婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
私はその足で、圭司の会社へと向かった。
ちょうど出勤時間なのか、スーツを来た社員達が次々と会社の中へと入っていく…。
私は、会社の玄関の前で圭司が来るのを待つことにした。
「なつさん?」
そう言って、私の方にゆっくりと歩いてきたのは芹香さんだった…。
「芹香さん…。」
「圭司なら とっくに出勤してるけど何か用でもあるの…?よかったら 私から伝えておくけど…?」
「いえ 直接話したいので結構です。」
私の言葉に、芹香さんの顔が曇った。
「そう なつさんちょっと話せないかな…?
私まだ 時間に余裕があるから…。」
芹香さんに言われて、近くの広場にあるベンチへと腰掛けた。
「あの 芹香さん…。あの日 圭司は本当に芹香さんの名前を呼んでいたんですか…?」
「えっ? どうして そう思うの…?」
芹香さんは、怪訝そうな表情で私を見た。
「私 ずっと 芹香さんの身代わりなんだと思ってました。だから 圭司の気持ちを疑ってばかりで信じることができなかった…。でも 今になって やっと分かったんです。圭司がどれほど私のこと本気で愛してくれていたか…
だから ごめんなさい やっぱり私 身を引くなんてできません…。」
そう言って、私は芹香さんに頭を下げて、立ち上がった。