婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「ありがとう 陽太…。」
葵が、にこりと笑って田辺くんに言った。
ん…?
陽太…!?
不思議そうに二人を見る私に気がづいて、葵が照れるように言った。
「実はね なつ 私達付き合うことになったの…。」
「えー!」
まさかのカップル誕生に、私は思わず大声を上げてしまった。
「ちょっと なつ! 声が大きいよ!」
「ごめん でも びっくりしちゃって…。いつから…?」
「えーと 昨日から?」
葵が恥ずかしそうに田辺くんを見た。
田辺くんも葵の顔を見ながら愛おしそうに微笑んでいる。
「ねえ 二人ともそんな雰囲気ちょっとも無かったじゃない…! 」
「うーん なかなか 陽太が言ってくれないから意地はってただけ…。昨日ね 陽太の誕生日だったんだけど、何が欲しいかって聞いたら…」
「おい 言うなよ そんな恥ずかしいこと!」
田辺くんが、慌てて葵の口を塞いだ。
「もう だいだい 分かったからいいよ…。」
私は苦笑いを浮かべた…。
「ねえ だから なつも早く彼氏作ってダブルデートしようよ! 」
「あー それいいな! なんなら 俺の友達紹介しようか…?」
葵の提案に田辺くんも盛り上がる。
「ごめん 私 彼氏作る気ないから…。仕事もこれからだしね…。」