婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
◇◇◇◇
秋の風を感じながら、私はおば様の眠る墓地を目指して、山道を登った。
今日はおば様の命日…。
迷ったけれど、やっぱり おば様に会いに、はるばるバスを乗り継いでやってきた。
幸い今日は平日だから、圭司に会うこともないだろう…。
すすきの間から 下の方に広がる海が太陽に照らされてキラキラと光っていた。
こうやって眺める景色も、ひとりとふたりでは随分違うんだなあと改めて感じた…。
私は足を止めて、木陰で少し休むことにした。
ちょうどいい切り株にまたいで、ペットボトルを飲んでいると、バックの中の携帯が鳴りだした…。
紺野さん?
なんだろう…。
私は急いで携帯に出た。
「もしもし 瀬崎さん? ごめんなさいね お休みのところ。実はね、サンカトレア教会っていう所から、瀬崎さん宛てに電話があって連絡を取りたいみたいなの…。電話番号言うからあとでかけてくれる…?」
サンカトレア教会?
圭司との挙式をキャンセルしてから、随分経つけれど私に何の用だろう?
「すみません。ありがとうございます。」
私は紺野さんとの電話を切ると、早速 サンカトレア教会に電話をかけた。