婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「はい サンカトレア教会ですが…。」
電話に出たのは、年配の女性だった。
「あの 瀬崎といいますが…」
「あっ ご連絡お待ちしておりました!実は来週のお式のことでお電話したんですが、そろそろ衣装合わせに着て頂きたいんですが今日などご都合いかかですか…?」
私は、何のことだかさっぱり話が見えずに、少しの間考え込んでしまった…
「あの 瀬崎なつ様ですよね…?」
相手も何も言わない私に自信をなくしたのか、恐る恐る聞いてきた。
「あっ すみません ちょっと話が分からなくて、来週の式ってなんのことですか…?」
「えっ… あの ご主人様から聞いてらっしゃらないですか…? 10月15日のお式のご予約頂いておりますが…。」
10月15日…。
その日は、私の誕生日だった…。
「あの 主人はいつ予約を…?」
「えーと 5月の2日って書いてありますね…」
ああ 確かその日はガーデンウエディングをやった日だ…。
あの日 圭司は私の為に内緒で申し込んでくれていたんだ…。
でも 私達は愛を誓う前に別れてしまった。私は圭司の思いを台無しにしてしまったんだ。
「すみません キャンセルさせて下さい。キャンセル料はちゃんとお支払いしますから…。」
「えっ… あの 瀬崎様…?」
「本当にすみません…。」
そう言って、私は電話を切った。