婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「そっか…。」
圭司がホッとした顔を見せた。
「本当はさ、退院したら すぐにあいつの所に行ってなつを奪い返すつもりだったんだよ…。
あの日は弱ってて離婚届なんて受け取っちゃたけど、なつのこと どうしてもあいつに渡したくなくてさ。でも 仕事で急にニューヨークに行くことになっちゃって…。なつに連絡も取れないまま ずっと日本を離れてた。」
「圭司 ニョーヨークにいたの?」
「うん 現地の工場で大きな事故があって、その対応を任されてたんだ。やっと片づいて、今日の朝 こっちに帰ってきた。お墓参りのあとあいつのとこ行こうと思ってたけど、もう その必要はないんだよな?」
私は圭司の言葉に頷ずこうとしたけれど、芹香さんのことを思い出した。
「でも 芹香さんのことはどうするの…? 圭司 ちゃんと責任取るって言ったんでしょ?」
「責任? 何の…?」
圭司は、顔をしかめて考え込んだ。
そうか…。
圭司 ずっとニョーヨークにいたんだよね…。
もしかしたら 芹香さん 本当は子供の事まだ圭司に話してないのかもしれない…。
「芹香さんから聞いてないの? 芹香さん子供できたって… 圭司もうすぐパパになるんだよ…。」
「はあ?」
私の言葉に圭司は目を見開いた…。