婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「なつ…。俺は、離れてる間もずっとなつのこと想ってたよ。この指輪もずっとつけてた。」
圭司は薬指の結婚指輪を手で触れながら、そう言った。
「私もね 結婚指輪の代わりにこの婚約指輪をずっとはめてたの…。この指輪は圭司の愛の証だったから…。」
そう言って私が見せた薬指の指輪を、圭司は愛おしそうに指ごと撫でた。
「じゃあさ 来週のなつの誕生日までこの指輪してて…。」
「えっ? 誕生日まで…?」
私はきょとんとしながら聞き返した。
「そう 実はさ、なつの誕生日に式を挙げようと思ってさ、なつには内緒で予約入れておいたんだ。帰ってこれるか心配だったけどギリギリ間に合って良かったよ。この指には、その時に結婚指輪を嵌めてあげるから…。俺達 またそこからスタートしようよ…。」
「えっ… ああーー!!」
私は圭司の言葉で、すごく重大なことを思い出し、思わず叫んでしまった…。
「なんだよ なつ…。」
圭司が驚いた顔で言った。
「圭司 ごめん! 私 断っちゃった! さっき
教会から電話きて、衣装合わせに来て欲しいって言われたんだけど、私 式をキャンセルしちゃったの…! どうしよう…。」
「マジか…。なつ とりあえず 行くぞ! 母さん ごめん また改めてくるから…。」
そう言って、圭司は携帯で電話をかけなから、私の手を取って走りだした…。
「なつ キャンセルはキャンセルできた!衣装合わせは、今から行けば大丈夫だって…。5時までって言ってたけど…。」
「良かった!でも ギリギリだね!」
下り坂を駆け下りながら、二人でクスクスと
笑い合った。視界に飛び込んでくる景色は、どれもキラキラと輝いて見えた…。
私は、今 幸せだ…。心からそう思った…。